漆器の3大産地の1つ!会津塗りの特徴や歴史をご紹介

漆器の3大産地の1つ!会津塗りの特徴や歴史をご紹介

漆器は、日本全国いろいろなところで作られていますが塗り方や蒔絵の付け方など、土地ごとによってそれぞれ伝統的な塗り方が存在します。
輪島塗、紀州塗、越前塗など様々な塗り方がありますが、その中でも今回は、「会津塗り」の特徴について紹介します。

会津塗りとは

会津塗りとは

会津塗りとは福島県会津地方の伝統工芸品である会津漆器のとこ言います。会津漆器と呼ぶのではなく、会津塗りと呼ぶのにはその塗りの技術が高度で多彩なことからきていると思われます。

有名な輪島塗りと並ぶ技術力で、輪島塗りの発展は会津の塗師が訪れたことから始まったと言われています。

会津塗りの歴史

会津塗りの歴史

会津塗りの歴史の始まりは1590年にまでさかのぼり、蒲生氏郷が会津に入封したことから始まります。

氏郷が、近江日野町から木地師と塗師を迎え入れ、漆器作りの最先端の技術を伝授させたことから発展していきました。そして、漆の木の栽培から加飾まで全ての作業を手掛ける一大産地へと成長しました。

江戸時代には歴代の藩主によって保護奨励をされ、幕末には外国への輸出品として選ばれるようになっていきました。

順調に発展してきたように思いますが、江戸時代が終わり新たな時代に移るさなか、幕府と政府による戊辰戦争が起こります。この戊辰戦争によって会津塗りは致命的なダメージを受けることになりました。

しかし、戦争のあと新しくできた政府の援助を受け会津塗りは盛り返していきました。

会津塗りの特徴

会津塗りの特徴
会津塗りの特徴は塗りではなく様々な種類の加飾にあり、会津地方ならではの加飾技法がたくさんあります。

塗り

・花塗
光沢を出すために使われる、漆に油分を混ぜた「花漆」を塗ったあと磨かずに仕上げる手法です。

・鉄錆塗
鉄さびを使って鋳物のような渋みのある模様をだす手法です。

・金虫喰塗り
黒漆の上にお米のもみ殻を蒔いて模様をつくる手法です。

漆絵

・会津絵
松竹梅と破魔矢を組み合わせた独特の模様を描く会津塗りだけの漆絵です。

・錦絵
松竹梅、鶴亀、牡丹、鳳凰の模様を描く漆絵です。
錦織りのイメージで描かれていることが特徴です。

沈金

・沈金
会津塗の沈金は、他の産地よりも特徴的です。細く溝を彫り、繊細で柔らかな絵柄に仕上がります。

蒔絵

・朱磨き(しゅみがき)
黒漆を塗って乾燥したあと、透明な漆で絵を描き、朱の粉を蒔きます。
乾燥して最後に磨いてつくる手法です。

・網絵(あみえ)
網絵の手法は2つあります。ひとつは黒漆を塗ったあと乾燥し、朱漆で網目を描きます。もうひとつは黒漆をぬって乾燥したあと、透明な漆で網目を描いて金粉や朱の粉を蒔く方法です。
特徴として京都の網絵より会津塗の網絵の方が細かいです。

・消粉蒔絵(けしふんまきえ)
水飴に消金粉という金箔を混ぜ合わせて作られる金粉を蒔く手法です。
混ぜることにより金粉の仕上がりが最も細かくなるのが特徴です。

・平極蒔絵(ひらごくまきえ)
ヤスリで平極粉という地金をすりおろしたものを蒔く手法です。
すりおろした中でも、一番細かい粉を蒔くのが特徴です。

・丸粉蒔絵(まるふんまきえ)
丸粉と呼ばれる銀や金の地金をヤスリで丸みをつけて粉を蒔きます。それを乾燥したあと、炭で磨き上げる手法です。丸粉のサイズは13種類あります。

・鉄錆蒔絵(てつさびまきえ)
錆絵の一つで、錆を使って描く手法です。

上記など会津地方独特の加飾技法があります。
会津塗りは実用的できれいな加飾が施されているのが特徴です。

会津塗りの製作工程

・荒挽き
会津塗はお盆、お椀などの丸物と、文庫や重箱の板物に分類されます。丸物には、ケヤキやトチなどの素材が使われ、板物にはホウが使われます。

木地を大まかにサイズに切って自然乾燥で数年、割れたり歪んだりしないよう水分を抜きます。

・木地作り
木地作りでは丸物と板物で職人が異なり、丸物を作る職人は木地師、板物を作る職人は惣輪師と呼ばれます。

丸物は荒型を乾燥させたあと、鈴木式ロクロと言うスリ型のロクロで木地師が削っていきます。
板物は惣輪師がカンナを何種類も用いて木を削っていきます。

・下地
砥の粉と生漆を混ぜ合わせて錆漆を作ります。それを塗って平らにしたあと、凹凸をなくすために磨きます。この工程を何度か繰り返し行います。

・塗り
下塗、中塗、上塗の順に作業が行われます。下塗、中塗では漆を塗ったあと磨いて傷がないか確かめます。確認ができたら、ムラやホコリが混じってしまわないよう丁寧に上塗りを行います。塗は、会津塗りの特徴である花塗が一般的です。

上塗りができたら、漆風呂で均一に乾燥していきます。

・蒔絵
漆で模様を描き、その上に金粉や色粉を蒔いて模様に色をつけていきます。

これからの会津塗り

会津漆器は現代でも食器が中心に作られています。
生活の様式が多様化や洋風化されてきているので、色や形など現代風なものの開発も行っています。

さらに伝統技術とは異なりますが、粘土状の土から形成する漆粘土を使っての、電子レンジや食洗機で使える丈夫な漆器作りも行っています。

後継者の育成も

会津塗りの技術を未来に残していくためには、技術を受け継ぐ後継者の育成が必要になってきます。

会津若松市では職人を目指す人が技術を身に着けるために週3回研修をしています。研修を受けている人の中には職人になるため他の都道府県から移り住んで養成所に通っている人もいます。

まとめ

会津漆器の産業としての売り上げは約20億円弱といわれいて、全国第3位の産地として日本の漆器産業を守り続けています。そんな会津塗りの技術をこれからも守り続けて、発展を願っていきたいです。

漆器の3大産地の1つ!会津塗りの特徴や歴史をご紹介
最新情報をチェックしよう!