高岡漆器の特徴から歴史、活動までをご紹介

高岡漆器の特徴から歴史、活動までをご紹介
高岡漆器は富山県の伝統工芸品のひとつです。
漆器という日用品でありながら芸術性は高く、生活に彩を与えてくれる工芸品です。
今回は高岡漆器について隅々までご紹介します。

高岡漆器について

高岡漆器は富山県の高岡市で製作されている漆器のことを指します。
「青貝塗」「勇助塗」「彫刻塗」の3つの技法が代表的で幅広い作風があります。
地元で親しまれ、生活を美しく彩ってくれる工芸品です。

代表的な技法

ご紹介した3つの技法を詳しく見ていきましょう。

・青貝塗
貝殻の光沢のある部分を薄く削ってつくった「青貝」という材料を使って、いろんな形の細片をつくり、細片の組み合わせで花や文様を表現する技法です。
これだけ聞くと「螺鈿」という技法に似ているような気がすると思いますが、高岡漆器では一般的な螺鈿の貝より厚さの薄い貝を使い、下地の漆の色を透けさせるのが特徴です。

・勇助塗
江戸末期に石井勇助が、中国の明時代の漆器に憧れて生み出した技法です。
花や人物などのメインを錆漆で描いて、青貝や箔絵などを施していくすべてを混ぜた塗りの技法です。

・彫刻塗
木彫りに漆を塗り重ねて、亀甲などの地紋の上に、草花・鳥・山水などを掘り出したものが彫刻塗です。
立体感とツヤが特徴になります。

こういった作風の幅の広がりのおかげで多くの日用品に使われる高岡漆器ができたのです。

高岡漆器の歴史

高岡漆器の歴史
高岡漆器の歴史は江戸初期の1609年に加賀藩初代藩主の「前田利長」が、高岡城を築城した際にタンスや武具などの生活に必要なものを作らせたことから始まったとされています。
高岡城は5年で廃城になりますが、その後は商工業の町として発展しました。

中国から漆を何層にも重ねて彫刻をする堆朱、堆黒の技法が伝えられ様々な技法が考案されました。

江戸時代中期には「辻丹甫(つじたんぽ)」という職人の技法から上記で紹介している「彫刻塗」ができあがりました。
辻丹甫の作品は高岡御車山祭りで使われている「高岡御車山(みくるみやま)」にも使われています。

そして、江戸末期に「石井勇助」が上記で紹介した「勇助塗」を考案し、明治時代に盛んになっていきました。

近年は、いろいろな素材に漆を塗る「変り塗」が注目を集めています。

高岡漆器の製作工程

高岡漆器の製作工程
高岡漆器の製作には、多くの工程があり、何を作るのか、どの技法で作るのかによっても異なってきます。
そのなかでも大きく分けると「木地工程」「下地工程」「青貝工程」「上塗工程」の4つにわけることができます。
それぞれをご紹介します。

木地工程

高岡漆器によく使われる木は「ケヤキ」「トチノキ」「カツラ」などです。
乾燥させた木材を削って、加工し、木地を作っていきます。
代表的な木地は4種類あります。

・くり木地:木材のみで削ったり、彫ったりして作成した木地
・挽物木地:ろくろをつかって木材を削った木地
・曲物木地:薄くした板を曲げて貼り合わせて作成した木地
・指物木地:複数の板を組み合わせて作成した木地

下地工程

1.地付け
木地の表面を滑らかにして、もろい部分に布を貼り補強をします。
布で補強することは「布着せ」と呼ばれています。その後、布目を埋めるために目止めの粉を均一に塗っていきます。

2.中塗り
目止めをしたところに漆を塗って、乾いたら研いで表面を滑らかにしていきます。

下地工程はおおまかにこの2つから成り立っています。

青貝工程

1.図面作成
青貝の材料を考慮してまずは漆器の図面を作ります。
この工程でデザインの創造力や表現力が大事になってきます。

2.貝裁ち
図面どおりに貝を切り抜いていきます。直線の切り抜きは刃物で、小さいものは彫刻刀やノミで、曲線のところは針を使います。
この中でも針をつかって切り抜くのは一番難しく匠の技が必要になります。

3.青貝付け
図面を木地に写して、青貝を貼るところに接着剤の代わりとして漆を薄く塗ります。
塗った漆のうえに貼り付けていきます。

4.毛彫り
貼り付けて乾いたら、図面の細部の部分を針で描いていきます。

ここまでが青貝工程になります。

上塗り工程

1.小中塗り
全体を漆で上塗りします。漆が乾いたらノミや彫刻刀で青貝部分の漆を取っていきます。

2.上塗り
もう一度全体に漆の上塗りを行います。漆が乾いたら全体を磨き、最後に砥の粉をなたね油で練ったもので磨きます。

3.摺漆
生漆を薄くすりこんで、磨いてを3~4回行い艶をだしていきます。
これで完成です。

高岡漆器の活動

高岡漆器の活動
高岡漆器に触れることができるのは、毎年5月1日に行われる高岡御車山祭です。
御車山に高岡漆器の技術がふんだんに使われており、それらが街中を練り歩きます。

また、若い世代にも魅力を知ってもらって、興味を持ってもらうために、小中学校で漆器の制作も体験学習も行われています。

その他にも。地場産業センターでは展示会や販売が行われています。

まとめ

高岡漆器はもともと日用品として使われていたものが芸術へと進化していったものです。
なので本質は日用品です。日常生活にさりげなく使えるものが多いので一度使ってみてください。
高岡市に遊びに行くのもおすすめです。

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