津軽塗ってどんな漆器?特徴から歴史までご紹介

津軽塗ってどんな漆器?特徴から歴史までご紹介

津軽塗は青森県で作られている漆器です。
漆器という日用品でありながら芸術性は高く、生活に彩を与えてくれる工芸品です。
今回は津軽塗について隅々までご紹介します。

津軽塗とは

津軽塗とは

青森県弘前市で周辺で作られている漆器です。
この漆器が津軽塗と呼ばれるようになったのは、1873年のウィーン万国博覧会のときだと言われています。津軽地方で作られる漆器の総称として呼ばれています。

津軽塗独特の「研ぎ出し変わり塗り」という技法により、丈夫で実用性が高いうえに、外見がとても美しい漆器なのが特徴です。

そのほかにも唐塗、七々子塗、紋紗塗、錦塗などの技法があります。

代表的な技法

代表的な技法
ご紹介した技法について詳しく見ていきます。

・唐塗
津軽塗といえば唐塗というほどメジャーな技法です。
塗って乾かして研ぐという工程を何十回も繰り返し、穴が空いた特殊なへらを使って、凹凸のある模様をつけていきます。
唐塗のデザインは独特で不思議な魅力があります。

・七々子塗
菜種の実を埋め込んで小さな輪紋を作る塗り方です。
いびつでありながら美しい丸模様に仕上がります。丸い模様が魚の卵が集まる様子に見えるため七々子や魚々子と呼ばれています。

・紋紗塗
黒漆を使用して光沢のある黒とない黒を使い分けてデザインする塗り方です。
派手さはありませんがシンプルで大人向きのデザインになります。

・錦塗
錦塗は津軽塗の技法の中で一番華やかな技法で、七々子塗りからの派生になります。
七々子塗りと同様の菜種を使った技法のあと、黒漆を使って唐草模様や紗綾型模様と呼ばれる模様をつけていきます。

七々子塗りのあとに模様をつけるので時間もかかるし、技術も必要になります。
美しく描ける職人は少ないので貴重なデザインです

津軽塗の歴史

津軽塗の歴史
津軽塗作られるようになったのは江戸時代の中期です。
参勤交代制が成立して上方や江戸の文化が地方に伝わるようになり、各地で多くの工芸品が誕生していきました。
弘前藩(現在の津軽)でも塗師が招かれて、独特な漆器が生まれていきます。

最初は武士の刀の飾りなどの制作でしたが、どんどん調度品も作られるようになりました。
1758年にはすでに唐塗の技法が成立していて、重箱や文箱も作られていました。

そして1873年のウィーン万国博覧会に「津軽塗」として出展をし、津軽塗という呼び名で広まっていきました。

津軽塗の製作工程

津軽塗の製作工程
津軽塗の製作には多くの工程があり、何を作るのか、どの技法で作るのかによっても異なってきます。

工程を順を追ってご紹介します。

木取り

一番最初は木取りという工程です。
木材を伐採した後に乾燥し切り分け、削り出しまでを行います。
板材を組み合わせて作るお盆などはヒバが使われ、お椀などろくろを使って作る木地はホオノキが使われます。

布着せ

津軽塗で使われる下地作りは堅下地と言われるものです。
最初に木地を磨いて木地全体に防水のため漆を摺りこんでいきます。その後、布を米糊と漆を混ぜた糊漆で貼り付けていきます。
木地と布をしっかり密着させます。

地付け

地付けで使う漆は山科地の粉と生漆と糊漆を混ぜ合わせたものです。
ヘラで均一に塗り、乾燥させて研ぎます。
その後、それより細かい切粉と錆漆を塗って研いでいきます。ここまでででてきた研ぎは全て水をつけないのが特徴です。

仕掛け

下地の上に、素黒目漆と顔料と卵白を練り合わせた仕掛漆で斑点模様をつけていきます。
仕掛けベラを使って全面に模様をつけて5日ほどかけて漆の内部まで乾燥させます。

塗掛け

仕掛けの工程が終わったら上から刷毛を使って色漆を塗っていきます。
仕掛け模様が際立つように、黒に対しては黄色など対比が強い色漆を使うようにします。

彩色

色漆で市松状に模様を描いて、華やかさを出していきます。
両彩色と呼ばれる朱と緑の色漆が主に使われます。彩色を行うことで独特の模様が生まれていきます。その上から透明で茶褐色の素黒目漆を塗ることで落ち着いた色合いになります。

妻塗り

素黒目漆を全体に薄く塗り、上から錫の粉を蒔きつけ研ぎ出しを行います。

上げ塗り

刷毛で仕上げ用の漆を厚めに塗っていきます。この時に使う漆の色で呼び名が変わります。

研ぎ

凸凹を取るため大まかに研いでいきます。削り出された面を漆風呂でよく乾かしさらに削り出していきます。

胴摺り

菜種油で砥の粉を練った油で何回も磨き、研ぎ跡を取り除き、油分が残らないように拭き取ります。

呂塗り

一番最後に磨き用の呂色の漆を塗って仕上げていきます。
炭に呂色の漆をつけて少しずつ研いで拭いてを繰り返して完成させます。

津軽塗の未来

津軽塗の未来
津軽塗はこれまでに、産地診断、復興事業、新商品開発、需要開拓、人材育成など様々な施策に取り組んできました。
様々なことを行いマーケティングが最大の課題になっていることがわかりました。
そこで、若手職人を中心に異業種の交流、展示会の出展などの試みが行われるようになりました。
「ロイヤルコレクション」というブランドも立ち上げ様々なメーカーとのコラボをして塩梅網を広げています。

まとめ

津軽塗は青森で発達した技法で美しく不思議な魅力を持ち合わせています。
そんな不思議な魅力の詰まった津軽塗の漆器を一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

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